HSBC調査結果で日本がワースト2
日本で働きたくない外国人たち
Expat Explorer Survey(海外駐在員が働きたい国ランキング)をご存じでしょうか。
これは毎年、イギリスの金融大手HSBCホールディングスが調査し発表しているものです。
163カ国・地域で駐在員1万8,059人を対象に行い、「生活」「経済」「子育て」の3項目を総合的に評価します。
今年は19年2~3月にかけてオンラインで実施し、7月に最新版を発表。
日本がワースト2となり、一部メディアで話題となったことを記憶している方も多いでしょう。

出典 : HSBC Expat Explorer Survey League Table
このランキングをアジア諸国と比較しながら見てみましょう。
シンガポールは海外駐在員が満足できる国として世界に知られています。
驚くのはベトナムが昨年の19位から10位に大幅ランクアップしていることです。
香港、マレーシアはそれぞれ15位、16位につけています。
タイ、フィリピンは中国及びイギリスよりも上位にランクされています。
日本はインドネシアと同じく最下層にランクされました。
ランキングが低い理由
日本はなぜランキングが低いのでしょうか。
この調査は「生活」「経済」「子育て」の3項目に基づいて行われています。
この調査はいくつかの指標があります。
指標については日本の調査結果とともに下記をご参照ください。

出典 : HSBC Expat Explorer Survey 2019
調査から外国人に不満が多い項目が分かります。
- Ease of settling in (定着・定住度)
- Income(収入)
- Work / life balance(ワーク・ライフバランス)
- Making friends(駐在員の子供が感じる友達の作りやすさ)
- Learning(駐在員の子供向けの学習環境)
残念ながら、日本に長く住み続けたいとは考えていないようです。
駐在員の収入に関しては本国との雇用契約にもよるでしょうが、日本企業の給与水準に合わせているとなれば不満につながる可能性はあります。
日本では以前からワークライフバランスを改善してきましたが、なかなか目指したとおりには進んでいないのが現状です。
この点については海外からの駐在員も感じ取っているのでしょう。
駐在員の子共は友達が作りづらいと感じているようです。
日本語の壁というものがあるのかもしれません。
子共の学習環境にも不満があるようです。
外国人向けのサービスはまだまだ不十分です。
むしろこれから発展する分野でしょう。
こうしたサービスはこれから新たな市場になると考えられます。
収入(Incom)のランキングが極めて低いことに注目してしまうかもしれません。
この調査の対象になっているのは高度人材といわれるクラスの人たちです。
年収は平均して約1,400万円という調査結果(香港BS) もあります。
低賃金で外国人を働かせているというお話とは大きく異なります。
HSBCの調査結果は、
海外駐在員は日本に住みたくない・働きたくない!
みなさんそう思ってるみたいですよ。
という結果を示しているに過ぎないと理解するべきでしょう。
出典: HSBC Expat Explorer Survey 2019
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この記事の執筆者 |
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西ヶ谷紀之 【 国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士 】 |
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