外国人雇用が進まないのはなぜか

外国人材の雇用を阻むものは何か?

記事に出てきた人材紹介会社は、約4,000人の日本在住外国人が登録する業界大手の就職支援会社です。

この記事によると、日本に留学経験のある外国人の就職率は3割と出ていました。

この会社に登録している人材のほとんどが日本語能力検定のN1またはN2だそうです。

これは日本語能力がかなり高いと言えます。

しかも、法務省が認定する高度人材に40%以上が該当するというのですから文句のつけようがありません。

 

しかし、そうした人材であってもなかなか採用には至らないそうです。

なぜなのでしょうか。

 

業務内容と学歴・専攻との関連性

まず、企業が外国人を雇用するためには、その外国人に在留資格が必要になります。

日本又は海外の大学を卒業した外国人に適用される在留資格として一番多いのが「技術・人文知識・国際業務」です。

この在留資格「技術・人文知識・国際業務」は大学を卒業していれば必ず取得できるものではありません。

法務省入国管理庁では業務内容と学歴・専攻との関連性がチェックされます。

これはその業務を行うために学校で学んだ専門知識が必要かどうかを確認されるということです。

例えば、大学で文学を学んだ外国人が土木技術者として勤務することはできません。

なぜなら、土木技術(業務内容)と文学(学歴・専攻)には関連性がないからです。

 

また、基本的に外国人が単純労働といわれる業務をすることは認められていません。

単純労働ができるのは、原則として「外国人技能実習生」「特定技能」及び留学生等の資格外活動許可がある場合のみです。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では単純労働とされている業務に就くこと認められていません。

例えば、大学の観光学部を卒業し旅館のフロント業務に就いた外国人が、忙しい時間帯に限り配膳業務を行うことが問題となります。

このケースは忙しい時間帯に限るということで認められそうですが、法務省は認めていません。

なぜなら、配膳業務は一般的に誰でもできる単純労働であり、大学で学んだ専門知識がなければできない業務ではないと判断しているからです。

 

日本の雇用慣行からすると、一度企業で採用したらその後は自由に配置転換ができると認識されています。

しかし、外国人を雇用する場合には学校で学んだ専門知識と業務内容との関連性が問われるので自由な配置転換はできません。

法務省の判断の枠組みは、日本的な「就社」ではなく欧米型の「就職」であるといえます。

 

実はこうした判断の枠組みが海外人材の雇用を難しくしている一因と考えられます。

これは日本の法制度や移民政策に大きく関わるもので国家の姿勢を表すものです。

しかし、日本で働く意欲と高度な専門知識や日本語能力を持ちながら雇用に至らないのは大きな喪失ではないでしょうか。

日本の労働力不足を解消するためには、特定技能だけでなく在留資格「技術・人文知識・国際業務」においても雇用を促進する新たな枠組みが必要であると考えています。

 

 

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この記事の執筆者
西ヶ谷紀之 【 国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士 】
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