信念と行動の関係2

信念ができるプロセス

信念のない人はいません。

人は誰もがその人なりの信念を持っています。

信念は、人が生まれてから現在までに経験してきた「事実(捉えた世界)」とその「評価・解釈(言語による意味付け)」を積み重ねたものだからです。

信念は無意識に貯蔵されていると説明しましたが、このとき「事実」と「評価・解釈」は何らかの「感覚(快・不快)」とセットになって作られます。

NLP (Neuro Linguistic Programing – 神経言語プログラミング) では、これをプログラムと呼んでいます。

 

例えば、犬を見て怖がる人がいます。

この人は初めから犬を怖がっているのではありません。

おそらく過去どこかのタイミングで「犬」は「危険・怖い」ことを学習しているはずです。

噛まれた経験だとしたら、無意識の領域には犬を見たら怖がるプログラムが確実に出来上がっています。

なので「犬」を見ると「恐怖心」が出て来てしまい、心はネガティブな不快感で一杯になります。

怖いという嫌な気持ちになるということです。

実は、このことは人間にとってとても大切なことなのです。

なぜかというと、人間には生命を守ろうとする機能があるからです。

人間が生き延びるためには危険から離れなければなりません。

そして、安心・安全を確保する必要があります。

犬を見てネガティブな感情になるのは、脳が危険を知らせてくれているのです。

犬を避けることによって安心・安全を確保することができます。

人間が生きていくためには大切なことなのです。

 

禁煙できないのは

信念は人間を守ってくれるばかりではありません。

信念によってある目的を邪魔されてしまうケースもあります。

タバコを止めようと思っているのにやめられないAさん(男性)がいます。

Aさんはタバコの有害性を理解しています。

禁煙外来に行ってチャレンジするのですがうまくいきません。

とくに女性とデートするときはどうしてもタバコを吸ってしまいます。

なぜなのでしょうか?

 

実は、Aさんは尊敬しているお父さんからタバコを教わりました。

お父さんは「タバコは男らしさの象徴だ。男らしい奴はみなタバコを吸っている。皆カッコイイだろ。」と毎回Aさんに言い聞かせていました。

その結果、Aさんには「タバコを吸うこと」は「男らしい」との信念(プログラム)が出来上がりました。

Aさんはタバコを止めようと思っていても女性がいる前だと「男らしく」あろうとするためにタバコを吸ってしまうのです。

また、尊敬しているお父さんからの話であったため確固たるプログラムになってしまっています。

Aさんがタバコを吸うのを止めるためには、「男らしさ」の定義を変えて上書きする必要があります。

また「タバコを吸うこと」と「男らしい」を切り離す必要もあります。

これはタバコを止められないケースのほんの一例です。

Aさんのような人には、タバコの有害性を理屈で説明しても響かないのです。

 

職場にも応用できる

人材育成のために研修を受けさせている企業がたくさんあります。

企業が投資をして人材を育成することは絶対に必要です。

しかし、研修の場を用意しても響く人と響かない人がいます。

理屈を説明しても行動へ結びつかないこともあります。

 

人は一人一人世界が違っています。

育った環境によって作られた信念・価値観・プログラムが異なるからです。

皆異なった世界(観)で生きています。

全く同じ世界で生きていると思うのは錯覚です。

日本人同士でもそうです。

外国人となればなおさらです。

皆違う世界に生きている。

そう理解するだけで職場のコミュニケーションが変わってくるでしょう。

 

 

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この記事の執筆者
西ヶ谷紀之 【 国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士 】
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