ミャンマーの平和

「平和」の意味は国ごとに違う

日本で「平和」という言葉を使うとき、それはどんな意味なのでしょうか。

日本は憲法の中で、戦争をしないこと、武器を持たないこと、そして世界の平和のために努力することを謳っています。

これは平和憲法と呼ばれています。

しかし、ミャンマーでは「平和」の意味が違っているように感じます。

なぜでしょうか?

 

100以上の民族が暮らしている国

日本と大きく異なる点は、多民族国家ということです。

ミャンマーには、国民の70%以上の人口を占めるビルマ族をはじめ100以上の民族が暮らしています。

少数民族の人たちは誇り高く、機会があればいつでも自分たちの国家を作ろうとする、そんな組織もあるそうです。

1948年にミャンマー(当時はビルマ)がイギリスから独立してすぐに、一部の少数民族は武器を持って最大民族のビルマ族と戦いはじめました。

この戦いは現在も政府対少数民族という形でずっと続いています。

いくつかの州では今も内戦状態であるため、ミャンマー人であってもその地方に行くことはできません。

 

歴史の爪痕

イギリスに支配される前のミャンマーは、多くの民族がそれぞれ伝統や風習を守りながら、お互いに民族の違いを意識することなく平和に暮らしていたそうです。

民族が対立するようになったのはイギリスによる植民地政策が始まってからです。

イギリスは多数派のビルマ族を身分の低い農民として奴隷のように扱い、少数民族にはビルマ族よりも地位の高い軍隊や警察の仕事を与えました。

こうして民族によって身分の差をつけられてしまうと、民族間で争いが起きるのは当然ですね。

イギリスの狙いどおりです。

このときに植え付けられた民族意識は簡単には変わりません。

そのため現在も内戦状態となっている地域があるのです。

西欧列強の植民地政策の罪深さを感じます。

 

軍事政権が長く続いた理由

戦後の日本に長く生活をしている私には、同じ国民同士があちこちで対立しているという状態はなかなか想像できないことです。

国内で内戦が続くと国力が衰えてきます。

そうすると、力を持った国が近づいてきて援助をはじめます。

人道的な援助はすばらしいのですが、このときに近づいてくる国はたいてい下心があります。

どんな下心なのか?

その国を支配するということです。

内戦が治まったあかつきには、援助国の傀儡政権が誕生します。

資源は全て奪われます。

でも、そうなっては大変です。

ミャンマーはそうならないように、軍事政権が多民族を武力を持って支配する必要があったのかもしれません。

やり方はスマートではないですが、致し方ない。

しかし、武力による支配は逆に政府への反発を強めてしまいました。

結果として民族同士の争いを増やすことになってしまったのです。

なんとか独立は果たしたものの、混乱期が長く続き民主化は大きく遅れてしまったのです。

 

ミャンマーの平和

現在のミャンマーは民主国家として歩み始めています。

軍事政権時代に比べると言論の自由も拡大していると聞きます。

大都会ヤンゴンは穏やかで安心して過ごすことができます(そう感じます)。

もしかしたら、ミャンマーはこの状態でも「平和」なのかもしれません。

 

2月12日は、ミャンマー連邦共和国の祝日です。

Union Day(連邦の日)といい、1947年にビルマ独立の指導者であったアウンサン(ノーベル平和賞受賞者であるスーチー女史のお父さん)が少数民族とある会議を行いました。

今独立をしないと、永遠にイギリスの植民地になってしまう。

強い危機意識を持ったアウンサンは、少数民族と独立への道についてある合意を取り付けます。

この合意は、シャン州のパンロンで会議が行われ行われたことから「パンロン会議(パンロン協定)」と呼ばれています。

急いだせいで、とても不安定な内容だったそうです。

それゆえ、民族間のパワーバランスが難しく現在も尾を引いてしまっている。

 

ミャンマーの平和は道半ば。

現在も続く一部地方の内戦により、国内をどこでも自由に旅行することはできません。

内戦のため貧しい生活をしている人たちもいます。

だからこそ、多民族が平和に暮らせるようにとの願いを込めて Union Day を祝日としている。

平和な国家を目指していることが感じられます。

 

もしかしたら、イギリスの植民地になる前に戻ることが理想なのかもしれません。

しかし、一度染み込んだ民族意識を変えることはとても難しいものです。

それでもミャンマーの人たちが知恵を寄せ合い解決していくのではないか。

ノーベル平和賞を受賞した偉大な指導者も健在です。

だからなんとか良い方向に向かってほしい。

私の仲間たちが暮らす国だから…。

私はそう願っています。

 

 

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この記事の執筆者
西ヶ谷紀之 【 国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士 】
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