ロヒンギャ問題解説2

ミャンマー人牧師さんの解説講義

もちろん彼も歴史の専門家ではない。

あくまでミャンマー人という立場から解説するというものだ。

彼が何度も “It’s complicated situation.” と言っていたことを思い出す。

そう、これはとても複雑で難しい問題なのだ。

現在のインド(ヒンズー教)、バングラデシュ(イスラム教)、ミャンマー(仏教)だけでなく、これらの国々を植民地にしたイギリス(キリスト教)の存在があるからだ。

かつてイギリスに植民地化された経験を持つ国が関係している。

歴史を遡ればイギリスの植民地政策の傷跡と言えなくもない。

 

解説の要点

彼の解説講義をまとめると以下のようになる。

1)ロヒンギャと呼ばれる民族は(ロヒンギャと呼ぶかどうかは別にして)17、18世紀にはミャンマー領(ラカイン州)にいたといわれている。

2)イギリスによるビルマ(現在のミャンマー)植民地化により、ベンガル地方(現在のバングラデシュ)からイスラム系インド人(本当はベンガル人、現在のバングラデシュ人)を入植させた歴史がある。

3)イギリスはビルマのラカイン州を統治する行政官として彼らを登用したり農業従事者としてこのエリアに連れてきた。

4)マスコミがクローズアップしているロヒンギャ対ミャンマー軍という構図では本当の理解はできない。

5)これはバングラデシュ政府とミャンマー政府の戦争(領土争い)である。

 

国家間の戦争という視点

どこまで理解できたか分からない。

おそらくこんな感じのことを話しているのだと解釈した。

5)については新たな視点である。

ロヒンギャ問題が起きているラカイン州は元々仏教徒であるラカイン族が暮らしているエリアだ。

そこに、イギリスのビルマ統治政策の一環によりイスラム系インド人(当時はベンガル人でありバングラデシュ人)を入植させた歴史的な経緯がある。

その後も第二次世界大戦後にもっと多くのイスラム系バングラデシュ人(ベンガル人)が入ってきた。

現在のバングラデシュは複雑な歴史を持っている。

かつてはベンガル人の暮らす国とされていたが、イギリスの植民地政策によりインドの属州となり、パキスタン(東パキスタン)の歴史を経て、バングラデシュという国名になるという歴史的変遷があるのだ。

イギリス領だったインドからパキスタン(東パキスタン)として独立した時と、パキスタンからの独立戦争の時に多くの難民が発生している。

バングラデシュは不遇の時代が長く続いた。

パキスタンからの独立戦争のときは空爆を受け続け大きな損害を被った。

その地を離れようとする人たちが大勢出てくることは当然だ。

このときの避難先として選んだのは、陸続きであり宗教と言語が同じ民族が住んでいるミャンマーのラカイン州だった。

これは自然なことのように思える。

移り住んだ地でロヒンギャたちの人口は爆発的に増えている。

その数は仏教徒であるラカイン族の人口を凌駕する。

この状況を見過ごしてしまうと、ミャンマーのラカイン族が暮らすラカイン州はロヒンギャ(イスラム系バングラデシュ人)の領土になってしまうのだ。

 

ミャンマー自体が民族問題を抱えている

現在のミャンマーは民族も言語も異なる多民族国家であるため、民族紛争が起きないように軍部が睨みを効かせることによってなんとか秩序が保たれている。

ミャンマーは連邦共和国で、英語では Republic of the Union of Myanmar と表記される。

ミャンマーは Union なのだ。

「ミャンマーってどんな国なの?」にもあるように、130以上もの民族が暮らし、中心となる8つの大きな民族が存在している。

ビルマ族、カチン族、カヤー族、カレン族、チン族、モン族、ラカイン族、シャン族の8つで、各州も基本的にそれぞれの民族で構成されているのだ。

しかし、ロヒンギャは元はイスラム系バングラデシュ人で言語はベンガル語である。

つまり、現在のバングラデシュ人とロヒンギャは同一言語、同一宗教で、意思統一が簡単に図れる同一民族なのである。

これは、自国をまとめることがそもそも難しいミャンマーとは大きく異なる点だ。

 

この問題の本質は

バングラデシュ政府はこの状況を静かに見守っている。

あくまでメディアを通してだがそう感じられる。

ロヒンギャがミャンマーの領土に居座ることはバングラデシュの領土が拡大することに貢献する。

国土が狭いバングラデシュは人口が過密化しているため新たな領土を必要としているようにも思える。

 

世界のメディアの報道の仕方はバングラデシュ政府に有利に働いているように思う。

だからミャンマー政府としては世界から叩かれようとこの状況を大人しく見ている訳にはいかない。

解決手段に問題があることは否定できないが、彼らを追い出さなければミャンマーの領土は失われる。

領土が失われようとしている状況を黙って見ている国があるだろうか。

これは国家対国家の戦争なのである。

 

私は牧師さんの講義を聞いてそう解釈した。

 

つづく

 

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この記事の執筆者
西ヶ谷紀之 【 国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士 】
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