ヤンゴンの交通事情
ミャンマーの大都市ヤンゴンは、東南アジア諸国の中でも慢性的な交通渋滞で有名だ。
インドネシアのジャカルタも交通渋滞が酷くて知られているがヤンゴンも負けていない。
ヤンゴン市民はこの慢性的な交通渋滞に大いに悩まされている。
もしかしたらドライバーには車線が見えていないのかもしれない。
ヤンゴンでは3車線の道路を4台の車が並走する。
そのうちの1台は大型のバスだったりする。
驚いてはいけない。
これはごくありふれた日常風景だ。
そしてクラクションがまた凄い。
ガンガン鳴らしまくるのだ。

3車線に4台の車が走るヤンゴン。車線変更は恐怖である。
とにかくスペースがあると分かればそこに遠慮なく進入してくる。
ドライビングテクニックと言えば聞こえはいいが、乗ってる方はドキドキしてしまう。
安全な車間距離というものも感じられない。
ヤンゴンで車を運転するには相当な度胸と技術が必要だ。
私ははじめて自発的に保険に入ろうと考えた。
ヤンゴンは歩行者にとってとくに悩ましい街だ。
なぜなら世界でトップクラスの車優先国なのだ。
横断歩道がほとんどない。
歩行者は車の迷惑にならないように歩かなければならない。
日傘をさしたご婦人が道路の真ん中で立っている。
これはタクシーを待っているわけではない。
道路を横断中なのだ。
止まってくれる車は皆無。
” 轢けるものなら轢いてみろ ”
そう開き直って横断するしかない。
しかしそうは言っても自分の命は惜しい。

こちらのご婦人を見たとき、保険に入ることの大切さを感じた。
ヤンゴン市民はこうした状況に当然慣れているだろう。
しかし他国から来た観光客は、まず道路の渡り方を覚えなければならない。
私も最初は難しいと感じた。
ここはミャンマー人から学ぶしかないとしばらく観察することにした。
減速してくれる車は皆無なので車が来ない瞬間を狙うことになる。
または低速で走っているときだ。
白い袋を抱えた女性はヤンゴン市民のように見える。
それでもなかなか渡れないでいる。

こちらの女性はふんわり待ち合わせ中ではありません。虎視眈々と道路を渡るチャンスを狙っています。
やはりヤンゴン市民であっても難しいのだ。
逆サイドを見ると頭に食材を載せた男性が先頭をきって渡ろうとしている。
「ファーストペンギン」だ。
彼に続こう。

お願いだから横断歩道を作ってください。
きっと彼には道が見えているのだ。
彼が動き出した。
するとそれまで横断するために待っていた人たちが一斉に歩き出した。
「みんなで渡れば怖くない」
じゃなくて、
「みんなで渡らないとマジ怖い」
こんな感じ。

みんなで渡らないと本当に怖い。
10人ほどがイワシの群れのように固まって歩き始める。
これだけ人がいれば大丈夫だろう。
おかげさまで全員無事に向こう岸にたどり着くことができた。
よかった。よかった。
未だ事故現場を見たことはないが、しっかり事故は起きているとのこと。
やはり危ないのだ。
そろそろ歩行者ファーストの意識改革が必要だろう。
行政の対応が待たれる。
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西ヶ谷紀之 【 国家資格キャリアコンサルタント・社会保険労務士・行政書士 】 |
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